旅々バンバン
バンバンと共に走った様々なツーリング先の出来事や風景などを綴っています。


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’09年5月7日 岩手県 八幡平アスピーテライン・雪の回廊にて
昨夜は青森県、カワヨグリーン牧場宿泊。牧場の朝は早いのだろう。トラクターの音で目が覚める。
午前6時前。
もそもそとテントから這い出し、朝もやに包まれる幻想的な雰囲気の中、撤収作業に勤しむ。
6時30分には牧場を跡に。45号〜4号へ。道の駅さんのへでコンビにパンをかじる。
104号でいよいよ岩手入りしようかという頃合だっただろうか?
とある横断歩道。信号は赤だったので、当然止まりますよね。
そこへ、黄色の可愛らしい帽子に赤いランドセルの女の子の児童が渡ろうとする。
左右を確認し、手を挙げながら渡り、渡りきった後、俺とその対向車にランドセルが被さるくらいにお辞儀を
してくれる。
毎日しているのだろう。その自然な挙措に俺は「いいな」とただ思うのだ。
いい大和撫子になれよ、と何故か上から目線の俺糞ワロタw、つーか、東北には都会で失われたものが確かに
まだ色濃く残っているのだな、と改めて感心するのだ。
104号を西へ向け走っていると、マップルのとある表記が俺の目を釘付けにする。
「現役の水車がある」
俺の中の東北のイメージの一つがこれなんだよ。日本昔話に出てくるような家にくっついてる大きな水車。
ここまでの道中ではとんと目にすることが無かったんだけれども、とうとうその時がきやがったわけだ。
俺はニヤリと舌舐めずりをし、その現役の水車があるという、遠瀬を目指す。
特に急ぐわけでもなく、走ってると目の前に「ようこそ!水車の村へ」と看板が目に入る。
気分も高揚。どこや!どこにあるんや!!とバーゲンのカゴに突っ込んでいく大阪のオバちゃんばりに
目を血走らせながら辺りを見回す俺。
どこや〜どこや〜と走り続けていると、村の外れに出る。
ん?
ここまでであったっけ???と地図を見るも、どう考えても通り過ぎてるみたい。
え〜???ともう一度来た道を引き返し、再び、看板からスタートw
どこや〜どこにあるんや〜と走り続けていると、再び村の外れにw
いやいやいや、と誰にでもなく突っ込みながら、しょうがなく、村人を探すも誰もいやしません。
と、向こうから鍬をかついだじっさまが歩いてくるじゃありませんか!
よ〜しパパ場所を尋ねちゃうぞ〜!と「すみません!水車があると聞いたんですが、どこでしょうか?」と
切り出すと、じっさまは畑の方角を指差しながら、教えてくれるのですが、東北訛りは関西人の俺には
全く何を言っているのか分かりません。まずいぞ!この状況は非常にまずいぞ!!焦る俺。
空気を読んで、場所が分かったフリをした俺は、「アイガトゴザモシタ!」と得意の鹿児島弁を披露。
教えてやった水車の場所へ俺が行くのを見送るじっ様と、水車の場所は以前分からないが、分かったフリを
したために、見送る視線を背に、そこへ行かなければ行けない状況の俺www
とりあえず、走り出さなきゃ、とエンジンを掛け、じっ様が指差した方角へバン子を走らせる。
走らせるっても、指差した方向は畑とぼろい小屋しかないんですが。。。
      ここで俺ははっと気づく。
もしかしてアレか!あの小屋がそうなんか!!と道路わきにバン子を止めて、畑のあぜ道を歩きながら、
小屋に向うと、道からはよく見えなかったが、確かに水車ありました。
現役でもなければ、名所みたいな扱いでもありませんがw


< 水車発見! >


毎年阪神が獲得する新外国人ばりの期待はずれ感に打ちひしがれながら、水車を見てると、そばに
さきほどのじっ様と、その友人だろうか?水車の傍に来て、俺の様子を伺っている。
まずい、この状況はまずいぞ!と心の中で焦る俺(またかよ!)。
俺的には1分ほどで立ち去りたかったが、俺は得意の人間力を発揮し、「ほぉ〜」、「すげえもんを見た」
みたいな感じで、この水車の隅から隅までしゃぶり尽くすように観察し、写真を撮りまくったのです。
そんな風にして、俺は水車の村を跡にしたんだよな〜。


< 水車とバン子 >


その後、岩手の県道181号で牧場風景の中を南下し、6号〜282号で西へ。
鹿角から341号で南下。いよいよ八幡平が近くなってきました。
アスピーテラインに向けて、標高を上げていく途中で、クマ牧場なる施設を発見。
これはいっとかなあかんだろう、とステアを入り口に向ける。
料金所の入り口で、早くも熊さんたちがお出迎え。


< クマー >


料金は¥500位だったかな?場内に入ると、途端にケモノ臭が鼻に付く。
日常生活では、まず嗅げない臭いに心も沸き立つ。
場内は所狭しと、クマが這いずっており迫力満点。北米からつれてこられたベアズリーのでかさには
度肝を抜かれましたな。ベアズリーとか書いてるけど、名前は実は忘れたんだ。


< クマー 弐>
< クマー 参>


早くアスピーテラインに行きたかった俺は、長居もせずにクマ牧場を跡にする。
クマ牧場を過ぎて、ぐんぐんと標高を上げると、道脇に残雪の跡がちらりほらり。
アスピーテライン入り口の大沼で俺は、逸る気持ちを抑えるように煙草をゆっくり一本。


< 八幡平・大沼 >


連休が過ぎている事もあり、交通量の少ないアスピーテラインを満喫。
滋賀草津よりも高い雪の壁にちょっぴり感動。今がこれなら開通間際はどれほどなんでしょう。
左右を雪の壁に囲まれながらスッコーンと伸びるストレート。どこまでも続いてる雪化粧の
高原風景。雪の冷たさと日差しの気持ちよさが丁度いい塩梅。
俺の中で、滋賀草津を抜いて、名道ランキング一位になった瞬間でした。


< 八幡平アスピーテライン >
< 見返り峠にて >


ただただ圧倒されっぱなしの俺に、一際目を引く山容が現れる。
あれが岩手県民心のランドマーク、岩手山かぁ!


< 岩手山を望む >


アスピーテラインを下り、282〜278〜219と繋ぎ、日本最大の牧場施設・小岩井牧場を目指す。
小岩井牛乳フリークにして、ジンギスカンが大の好物の俺としてはここは外せないのです。
実はこの辺りの道中で、走行中にゴトッ、って異音がしたんですよ。
その時はん?と思い、車体を眺めてたんだけれども、何も変わってないよなぁ。。。と走り出してね。
再びマフラーの溶接箇所が破断してる事など知る由も無かったのさ。。。
時間は一時を過ぎたころだったろうか?太陽はギンギンに照りつけ、暑いのなんのって。
小岩井牧場に到着し、一目散にジンギスカンレストランテにレッツゴー!
  ¥980のセットと絞りたての小岩井牛乳をお盆に載せて、円卓に座る俺。
周りはプルカツやファミリー、友達グループがわいわいと卓を囲む中、ひるむことなく
ウヒヒヒヒ、美味そうじゃのぅ、、、、とジンギスカンに舌鼓。


< ジンギスカーン >


ハフハフ・ムシャムシャとがっついていると、広い円卓に一人でいる俺が寂しそうに見えたんかね、
すぐ傍で食券を売ってたおばひゃんが卓に掛けて来る。
「美味しい?」「バイクできたん?」「どこから?」「これからどこへ?」などと矢継早の質問
攻めに俺はいっぱしの旅人を演じながら、丁寧に一つ一つの質問に答えていったのさ。
思えば、エス夫と別れて以来、まともな会話も久し振りです。俺も飢えてたんかもね。
「じゃぁ気をつけてね」と去り行くおばひゃんに人の優しさを感じながら、俺は心の中で
「おばひゃん、、、有り難う。俺があと20歳若かったらいっとったで!」などと呟いてみる。
ジンギスカンで唇をテラテラに光らせながらレストランテを出た俺は、岩手山が良く見えるベンチに
腰掛けながらジェラートをぱくつく。ウメェ。


< 小岩井農場からの風景 >


小岩井農場を出たところで時間は2時過ぎ。そろそろ今夜の宿を確保せねばなりません。
もうあんまり走りたくねーな、ってことでなるべく近くのキャンプ場を、、、とチェックしてたら、
秋田県は六郷ってとこに良さそうなキャンプ場を発見。早速電話すると、開いてるらすぃ。
ここからならそんなにかからないから、とだらだらと60キロ位でのんびり現地を目指す。
4時前には現地到着。あったか温泉キャンプ場ってとこ。今夜も利用者は俺だけだってさw
周りを田畑に囲まれた里山の高台に位置しており、なかなか良いロケーションかと。
洗濯機があったんで、これはラッキーと溜まってた衣類を全て洗う。


< あったか山キャンプ場 >


その間に市街のスーパーに買出しへ。今日は贅沢しようとお寿司をゲッツ!
運よく、スーパーの隣にホムセンがあったので、減ってるオイルとマフラーが外れたので、
針金も買う。
帰ってからちゃっちゃと修理を済ませ、宴を準備をするころには日も暮れだしてくる。
よし、、風呂やな、とキャンプ場から徒歩5分のところにあるあったか温泉に浸かりに行く。
東北訛りで何を言ってるのかさっぱり分からない現地のおさ〜んたちの会話に耳をすませながら、
俺は旅の垢を綺麗に落としたんだよね。
風呂上りにビールを飲みつつ、夜は更けていったので御座います。


< 晩餐会 >


ふぃ〜良く寝た、と朝の6時にお目覚め。
今日も快晴。6日間連続で晴れとかどんだけだよ俺。
今日は、明日昼の仙台フェリーに間に合うべく、とりあえずは仙台付近まで、ってことで距離も
そんなに遠くなく、ゆったりとした日程で走れそうで御座います。
昨夜浸かった温泉が7時からやってて、入浴料も昨日の券があれば無料というので、入ってから行こう!
と、朝食に卵サンドをかっ込みながら、のんびり撤収作業を終えます。
朝一番の風呂は誰もいない貸切状態。こりゃええ、とついつい長湯です。
8時前には温泉を発ち、13号〜398号で湯沢市を通過。
皆瀬ダムのところで、小粋な鯉のぼりがお出迎え。


< 鯉のぼり >


このまま398号で宮城方面に南下しよう、と考えていたんだけども、どうやら先の大地震の影響で
398号は通行止め。迂回路は岩手側になるので、しょうがない、、、と県道51〜310と繋いで、
秋の宮温泉郷方面に抜けようと、山道へ突撃。
予定に入れてなかったんだけども、県道310にある河原毛地獄は面白かった。
辺り一面硫黄の匂いが立ち込める、本当に地獄のような風景で、道の真ん中から煙が出てて
道の先が見えないのです。ええ〜い!と煙の中に突っ込むのは結構ドキドキものでしたよ。


< ガス地獄 >
< 河原毛地獄 >
< 河原毛地獄 >
< 河原毛地獄からの景色 >


河原毛地獄から先も、通行止めになっており、310号はその先に進めません。。。。。
しょうがない、、、と県道51号で湯沢方面に引き返す。
県道51号は渓谷沿いを走るスカイライン。
人気の無い山道を走ってて、コーナーを抜けると、とっても大きな日本カモシカに出会いました。
急停車し、思わず目と目を合わせる。鹿なら良く見るけど、野生のカモシカは初めて。物凄い風格。
角もびっくりするほど大きくて、息を呑む。
ここで、気づく。彼の縄張りに入ってきてるのは俺のほうなんだと。
早く出ていきな坊や、とでもいいたげな目に、畏怖を抱いた俺はそのまま逃げるようにして、山道を
急いだんだよ。
国道108号に抜け出て、再び南下開始。
  鬼首の辺りは本当に人の気配が無く、自然の真っ只中を突っ切る。
鬼首を抜けると、こけしの町、鳴子温泉到着。
街中こけしだらけのチャーミングな町なのですよ。


< 鳴子 >


ここで、俺は友人達のお土産にとこけしをチョイスする事を決意。
何件もあった土産物屋から適当な店を選び、小粋なこけし群をチョイス。
買ってから思ったんだけど、こけしって土産に貰ってもあんまり嬉しくないようなw
まぁええわ。お土産って気持ちが大事だからね。
鳴子温泉を去り、かの松尾芭蕉も通った47号〜県道28号と奥の細道をバイクでほろほろと駆け抜ける。
いやはや便利な世の中になったことでござる。


< 奥の細道にて >


山を下ると、牧歌的な風景がちらつき始める。

< 東北らしい感じ >


さ〜て、ぼちぼち本格的に仙台方面行かんと、と13号線で山形市内へ。
市内より、山形蔵王〜宮城蔵王と繋ぐ。
延々と続く高原風景とくねくねにまるで樹海に入り込んだような妙な錯覚に陥る。
蔵王恐るべし。
お目当ての御釜は面倒くさかったので、リフト乗り場で見てるだけw


< 蔵王1 >
< 蔵王2 >


蔵王を抜ける頃には時間は四時前。そろそろ宿を、と今夜は布団で寝たかったので、
市内のビジホを検索。東急インが空いてたので、すかさず予約し457〜286号で仙台市内へ
向う。
蔵王を抜け、市内への道すがら、もう東北の大自然を走ることもないと思うと、ふいに
寂しい気持ちになる。最後はどこまでも続くくねくね道にうんざりもしていたけど、いざ
もうそれも無いと思うとなんとも言えない気持ちになるもんです。
市内に近づくにつれ、旅モードも薄れていく。
俺、絶対浮いてるよな、などと苦笑いしつつ、日焼けた顔で、チェックインを済まし、
ベッドにバタン。
近くの繁華街で中華料理と生ビールに舌鼓を打ち、部屋に戻ると丁度、レッドクリフが上映
していたので、ついつい夢中になる。
こうして、東北最後の夜は更けていったので御座います。

翌朝。ゆっくりと朝食のバイキングを食べ、8時30分、ホテルを出発。
11時50分発のフェリーまで時間もあるので、松島まで行くことにした。
ほげ〜と走ってると、松島到着も、いいスポットが無かったので、奥松島まで、足を伸ばす。
松島の中でも一際景観がよいとされる、大高森展望台へ昇る。
徒歩15分の山道は体に堪えます。。。


< 大高森展望台から松島湾を望む >


展望台はハチが物凄かったので、早々と立ち去り、下の駐車場で休んでいると、おじさんが話しかけてくる。
若い頃はわしもバイクで走りまわっていた、というおじさんと東北の名所話しで盛り上がる。
三陸方面もお勧め、と言われ、次は是非行ってみますと返す俺。
かれこれ30分は話し込んだだろうか?最後は、写真を撮ってもらい、見送ってあげようと
わざわざ見送ってもらう。うぅ、、、ええ人やがな。


< 奥松島にて >


時計を見ると10時30分。
ちょっとのんびりし過ぎました。急げ〜と仙台港のフェリー乗り場を目指します。
無事、受付を済まし、16人部屋に4人しかいない2等寝室で旅装を解きます。 あとは、翌朝の9時30分の寄航まで、風呂入ったり、ゲーセンで遊んだり、ただただ海を眺めたり。
フェリー生活を満喫し、翌朝、名古屋港から、大阪まで高速でひとッ飛び。


7泊8日の東北旅。
風でかさかさになった唇も、ジェットヘルの顔の出てる部分だけの日焼けも、今はもう消えてるけど
初めて走ったかの地の風景や想いでは、一生涯忘れる事はないんだろうなぁ。。。


最後に。慣れぬ地でも最後まで走りとおしてくれたバンバンに精一杯の思いをこめて。
ありがとう。これからも頼むぜ相棒!

━━━━━━━ To Be Continued・・・ ━━━━━━━━━